介護、バリアフリー向けのトイレのリフォームについて
介護のために自宅のトイレをバリアフリー化したいけど、どのくらいの費用がかかるか分からないし、補助金制度についても詳しく知っておきたいという方も多いのではないでしょうか?
今回は、介護、バリアフリー用のトイレにリフォームする際に必要な費用から補助金制度、工事の流れなどを詳しく解説します。
介護、バリアフリー用にトイレのリフォームを行おう
介護を必要する人が安心してトイレを利用するために必要となるバリアフリー化リフォーム。
初めてとなると費用相場や確保しておくべきスペースも想像し辛いと思います。
このコラムでは、介護、バリアフリートイレへのリフォームに関する情報を細かく丁寧にご紹介しますので、是非リフォームを行う際の参考にしてみてください。
全ての業者が介護、バリアフリーに詳しい訳ではない
トイレのリフォームは、業者に施工依頼することがほとんどですが、全ての施工業者が介護、バリアフリーに詳しい訳ではありません。
ですから、介護、バリアフリー用のトイレリフォームを行う際は、依頼者自身がある程度の知識を身につけておく必要があります。
介護者の状況から、どのようなバリアフリー化を行ったほうが良いのか把握しておくのがリフォームで失敗しないコツです。
介護、バリアフリーのトイレのリフォームの費用相場
まずは、介護、バリアフリーのトイレへリフォームするための費用相場をご紹介します。
費用は簡易的なリフォームで数万円、大規模な介護トイレへリフォームで50万円以上したりと工事内容によって大きく異なります。
ここでは、小規模~大規模なトイレリフォームの内容と共に、目安となる費用相場を見ていきます。
手すりやドア、床を変える小規模なリフォームは費用1~20万
介護、バリリアフリー用にトイレに手すりを付けたり、ドアをスライド式に変えたり、床を防水性の高いクッションフロアに変えるようなリフォームは小規模な工事で済みます。
小規模なトイレリフォームの場合だと、1~20万円くらいが相場となります。
トイレの交換、和式から洋式に変える中規模なリフォームは費用20~50万
トイレ本体の交換や、和式トイレから洋式トイレに変えるような中規模リフォームは、20~50万円が相場となります。
今あるトイレルームを利用した介護、バリアフリー向けの作業ならこの費用相場内で収まります。
介護用トイレの増設のような大規模なリフォームは費用50万~
新たに介護用トイレの増設や水道管を引く場合、トイレのリフォーム費用は50万円以上かかることもあります。
住宅によって変わるので、施工業者に相談しながら必要なもの、必要でないものを考慮してリフォームを進めていきます。
トイレをどうリフォームするのか把握しておくことが大事
このように、トイレを介護、バリアフリー化するリフォームは工事規模によって費用が異なります。
現段階の介護で、どのようにトイレをバリアフリー化するべきなのかを把握した上で、依頼をするのが大事です。
トイレの介護、バリアフリー化に使える介護保険、補助金
介護、バリアフリー用のトイレへリフォームする場合、介護保険による住宅改修費を補助金として受け取ることができます。
介護、バリアフリー向けの改修費の一部が支給されるため、先ほど説明した費用相場よりも安くリフォームが行えます。
最大18万円の補助金支給を受け取れる
住宅改修費の補助金は、支給限度基準額20万円の9割であり18万円が上限となります。
少し複雑ですが、補助金の支給額は下記の通りです。
20万円までは9割の価格で支給。
1万円の工事なら、9000円が補助金として支給される。
20万円以上の工事は、18万円までが上限となる。
支給金額の上限は生涯で20万円
住宅改修費による補助金は、生涯で20万円の支給とされており、工事の度に支給できるものではありません。
ただし、引っ越し先で介護、バリアフリー化が必要な場合や、介護レベルが一定以上上昇した場合に限り、さらに20万円の支給限度額が増えます。
トイレリフォームで住宅改修費 補助金を受けるための条件
要介護者向けの工事であることが条件で、段差の解消や手すりの取り付けが当てはまります。
ケアマネージャーの作成した理由書が必要となるので、第三者から見て、介護、バリアフリー化のトイレが必要だと判断されることが条件となります。
補助金支給から工事完了までの流れ
ここかはら、介護、バリアフリー化のトイレリフォームで、補助金を支給してもらうための工事の流れを簡単にご紹介します。
①ケアマネージャーに相談を行う
住宅改修費の申請を行うには、ケアマネージャーが作成した理由書が必要となります。
まずは、区内のケアマネージャーに状況を説明し、介護、バリアフリー化のトイレが必要であることを確認してもらいましょう。
②トイレのリフォーム業者へ相談
介護、バリアフリー化のトイレが必要であることがわかったら、リフォーム施工業者へ相談します。
申請の時に、完成イメージとなる図面や簡易図も必要となるため、申請前の時点でリフォーム業者に相談しておく必要があります。
③区役所保険年金課で住宅改修費の申請を行う
トイレリフォームの内容が決まったら、区役所保険年金課に下記の資料を準備して、住宅改修費の申請を行います。
- 介護保険給付費支給新制度
- 工事にかかる見積書
- 住宅改修が必要な理由書
- 工事前の写真
- 完成予定の図表
- 賃貸契約書や住宅改修に関する承認書
主にこのような資料が必要となり、区役所によっては別資料の提出を追加で要求されることもあります。
④住宅改修に関するお知らせを受け取る
申請後、区役所から住宅改修に関するお知らせが届きました。
介護、バリアフリー化のトイレリフォーム工事に認可が下れば、施工を開始することができます。
⑤介護、バリアフリートイレへのリフォーム開始
最初に決めていた、リフォーム業者と相談しながら、介護、バリアフリーのトイレリフォームを開始します。
⑥住宅改修費の払い戻し
住宅改修費は支払った後に支給されため、払い戻しという形で手元に戻ります。
生涯支給額である20万円を超えていない工事であれば、同じ手順で別の工事でも申請が可能です。
介護、バリアフリートイレの主な工事例
介護、バリアフリーのトイレにかかる費用や費用を安くするための補助金について説明してきましたが、ここからはどのような介護トイレに工事したら良いのか、具体例を交えながらご紹介いたします。
①既にあるトイレを介護、バリアフリー化する
最も多いトイレのリフォームパターンが、既にあるトイレを介護用、バリアフリー化するという方法です。
既にあるトイレを使うので、手すりの取り付けや段差解消だけで済むこともあり、費用を抑えたリフォームが可能です。
②室内の押し入れや収納スペースを介護用トイレにリフォームする
要介護者の移動が困難な場合、介護室内の押し入れや隣の部屋をトイレにリフォームするパターンです。
少ない移動でトイレへ行けるので、要介護者にとって快適な環境を作ることができます。
水道管を敷きなおしたりと大掛かりな工事となるため、費用は高くなりがちです。
③部屋の中に介護トイレを設置する
要介護者の移動が困難な場合、ベッドの横にトイレを新設することもできます。
ベッドからそのままトイレに移動できるので、移動が難しい場合にお勧めの工事案となります。
掃除や臭いなどの問題もあるため、介護状態区分と今後を考えた上でトイレのリフォームを行いましょう。
介護、バリアフリーのトイレに必要な空間スペース
介護用、バリアフリー用のトイレのリフォームを行う場合、充分なスペースを確保することが大切です。
本人が自力で歩けるのか、車いすを必要とするのかでも確保するスペースは変わってきますので、下記を参考にして今のトイレをリフォームするのか、トイレを新設するのかを確認しましょう。
要介護者が自力でトイレに行ける場合のスペース
要介護者が自力でトイレに行けるのであれば、トイレの正面を85cm以上空けるようにしましょう。
また、トイレの正面でスペースを確保できない場合は、トイレの側面から50cm以上の空間を空けられると良いです。
入口を改修するなら、今後も踏まえて85m以上の幅があると良いでしょう。
- トイレの正面85cm~
- トイレの正面で十分な距離を確保できない場合は、側面を50cm~以上空ける
- 入口は車椅子も考慮した85cm以上の幅を取る
車椅子で移動し、自力でトイレを利用できる場合のスペース
車椅子で移動し、自力でトイレを利用できる場合は、トイレの正面を85cm以上確保し、トイレの側面は60cm以上のスペースがあると快適にトイレを使用できます。
側面に関しては広ければ広いほど、車椅子の旋回がしやすくなるので多めにとっても大丈夫です。
入口は車椅子が安全に通れるサイズ85m以上が必要です。
- トイレの正面85cm~
- トイレの正面で十分な距離を確保できない場合は、側面を60cm以上空ける
- 入口は85cm以上の幅を取る
車椅子で移動し、介助者を必要とする場合のスペース
車椅子で移動し、トイレの利用に介護者を必要とする場合は、トイレの正面を85cm以上、トイレの側面スペースは100cm以上あるのが好ましいです。
入口の幅は、車椅子の規格70cm以下が安全に通れるように、85cm以上は欲しいところです。
- トイレの正面85cm~
- トイレの正面で十分な距離を確保できない場合は、側面を100cm以上空ける
- 入口は85cm以上の幅を取る
介護、バリアフリー用トイレのリフォームポイント
介護、バリアフリー化なんて初めてだから、トイレにはどんな施工が必要なのかわからないという方向けに、施工場所ごとにリフォームのポイントをご紹介いたします。
介護用にどのような機能が備わっていると良いのか確認してみてください。
出入口のドアをスライド式に変える
トイレのドアの多くは、開帳型の外開きドアが使用されています。
介護、バリアフリー化を考えると開帳型は使いづらく、スライド式のドアの方が空間を広く使うことができます。
段差解消
トイレの入り口に段差がある場合は、段差解消の工事が必要です。
車椅子が通るための段差解消グッズの坂もありますが、可能ならば床とトイレの高さを揃えるリフォームがお勧めです。
手すりを取り付ける
介護、バリアフリーのトイレに最も重要なのが手すりを取り付けることです。
度合いにもよりますが、入り口からトイレにかけて手すりを設置し、トイレ近くには立ち上がれるように、L字型、I字型の手すりを設置しましょう。
ウォシュレット、シャワートイレを取り付ける
ウォシュレットやシャワートイレと呼ばれる温水洗浄便座は今や介護に欠かせません。
汚れを綺麗に落としてくれるので、介護用、バリアフリー用のトイレとして優先度の高いものになります。
汚れにくい床材、壁材に張り替える
汚れにくい床材、消臭性の高い壁材などがあり、トイレを清潔に保ちたいという場合にはリフォーム時に張り替えをおすすめします。
柄やデザインを考慮しないのであれば、比較的安く施工することができます。
座ったままの位置で洗浄ボタン、リモコンを操作できるようにする
要介護者が座ったままの位置、高さで洗浄、リモコン操作できるようにするのも介護用トイレのリフォームポイントです。
トイレタンクのレバー操作は要介護者にとって辛い姿勢になりがちなので、こちらも必ず設置するようにしてください。
2連のペーパーホルダーを取り付ける
必須ではありませんが、介護用、バリアフリー用のトイレならばペーパーホルダーは2連式にして、常に予備のストックを取り出せる状態にしておきましょう。
和式トイレから洋式トイレへ変える
和式トイレであれば、洋式トイレへ変えるリフォームが必要です。
大規模な工事になりゃすいので、スケジュールや見積もりをしっかりと確認しながらリフォームを進めていきましょう。
リフォーム中はトイレが使えなくなるので注意
介護、バリアフリー化のトイレリフォームを行い場合、工事中はトイレが使えなくなることに注意しなければいけません。
簡易設置型トイレを使用したり、携帯トイレなどを準備しておくなどが対策となります。
介護向けの工事であれば、施工業者と話し合いの時点で、トイレが使えない間はどのように過ごすのかを確認しておきましょう。
介護、バリアフリーを必要とするトイレへのリフォームもお任せ
介護、バリアフリー化のトイレリフォームでは、要介護者の状況によって必要とすべきスペースや機能が異なります。
水のレスキューでは、費用や予算と相談しながら、生活が快適になるようなリフォーム案をご提案しますので、いつでもお気軽にお電話でご相談ください。
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